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I want to・・・

I want to・・・

壊れた人形

降り続く雨の中

二人で傘も持たずに

手を繋いで

真夜中の街へ飛び出した





「ねぇボクを殺して?」

あなたはいきなりそう言い

いつもの様に笑っていた





あなたとの出会いはいつだったか



あなたはいつも笑顔を絶やさず

まるで幸せを振りまいている様で

みんなあなたを見て幸せそうだった




でも

何故だろう

わたしには

「壊れてた人形の笑顔」にしか見えなくて

思わずわたしは声をかけた

あなたに




あなたはわたしにも

いつもの様に「笑顔」を向けてきた

周りの人に向けるのと同じ様に


それでも

わたしは周りの人と同じ様に笑顔にならなかった


あなたは心底驚いた様子でわたしを見上げると

こう呟いた

「見つけた」と





今思い返してみれば


「自分を殺す相手を見つけた」

という意味だったのだろうか?


そう考えながら

わたしはあなたの首に手をかける


わたしのいつもの愛情表現

いつもと違うのは

あなたが自ら望んだということ



あなたは相変わらず笑っている

あなたは呟く


「ためらわないで

君の「歪んだ愛」ならボクを殺せるから」



わたしは徐々に手に力をこめる

あなたは少し苦しそう



わたしは呟いた

「あなたは「壊れた人形」じゃなかった」


本当の「壊れた人形」は

「歪んだ愛」を持った

わたしだったんだと

今になって思った



気づいた時には遅く

あなたは最期まで笑顔を浮かべながら

どこか遠くに逝ってしまった





「すぐに追いかけるから」

今度は自分の首に手をかける






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